佐々木譲氏の太平洋戦争に関連する3部作です。

ベルリン飛行指令は「作者が偶然見た零戦の写真は、大戦前夜のベルリンで撮られたものだった。一体誰が、いつ、何のために、どうやって遙か彼方の日本から運んだのか?海運か、あるいは英ソ勢力圏内のユーラシア大陸を・・・」

 こうして小説は始まりますが、史実なのかフィクションなのか頭の中が混乱するほど小説の中に引き込まれていきました。「エトロフ発緊急電」「ストックホルムの密使」この3部作は登場人物に関連性があるので読もうと思った方はこの3部をまとめて読まれたほうがいいと思います。ちなみに私が佐々木譲氏を知ったのはこの「ベルリン飛行指令」を読んでからです。いつものように会社を出て電車に乗る前に立ち寄った書店で題名に惹かれて手を伸ばしぱらぱらっと見たときに面白そうと思ったのが運のつきでした。すぐ購入して一気に読んでしまいました。それからしばらくして「エトルフ発緊急電」が目にとまり 躊躇なく購入したことを覚えています。最後に「ストックホルムからの密使」を読み終わったときには終わってしまったという寂しさがちょっと残ってしまったくらいです。ちょっと大げさかな?でも惹き込まれました (2011年2月10日)

同じく佐々木譲氏の作品です。太平洋戦争開戦前夜の在米日本大使館が舞台となっています。史実を踏まえてはいますがフィクションの部分もある(日本大使館に送り込まれた女性のスパイと送り込んだ国務省の職員、日本大使館の職員の3人の三角関係)小説です。当時の日本大使館の危機意識の無さを浮き彫りにしたような作品かな?とも思って読みました。上記の3部作とはちょっと違うけど太平洋戦争を題材にしたおもしろい小説です

この2冊は 池上司氏の作品です。「8月15日の開戦」 「12月8日の終戦」 と開戦と終戦が違うのではないか?その表題に惹かれて手に取った本です。「12月8日の終戦」は真珠湾攻撃までの約5年間のハワイ在住者や日本の首脳・軍部・兵器開発・情報関係者また米国首脳・FBIなどの行動や心理を歴史書ではありませんが、史実にのっとって書かれているので一気に読んでしまいました。

「8月15日の開戦」はなぜロシアが北方4島を占拠することになったのかも含め興味深く読むことができました。ポツダム宣言を受諾した後、日本が分断されるという危機を阻止するために占守島に駐留していた第十一戦車連隊を始めとした第九十一師団がアメリカの介入を得るために総力を挙げてソ連軍を迎撃していく。そしてアメリカの介入を得るためにフィリピンでの交渉までを含め分断を防ぐための開戦という意味の表題は考えさせられるものがありました

 

この2冊は潜水艦をとりあげた小説です。潜水艦という閉ざされた空間での孤独な戦いが書かれています。「雷撃深度19.5」は原爆を運んだ後潜水艦で撃沈されたアメリカの巡洋艦と日本の潜水艦の物語となっています。映画にもなった小説です。「ミッドウェイの刺客」はミッドウェイ海戦で大破した空母ヨークタウンを撃沈するまでの潜水艦・伊168の物語です。上記の2冊を読んで池上氏を知り、書店で池上氏の棚があったのでこの2冊を知りました。2冊が並んでおいてあったのでどっちを買おうか悩んだ挙句、結局2冊同時に買ってしまいました。

佐々木譲氏の作品です。「エトロフ発緊急電」「ベルリン飛行指令」と同様の大日本帝国海軍を中心とした作品です。 1930年代の中国を舞台に、日本海軍96式艦上戦闘機搭乗員と、アメリカ傭兵パイロットや中国空軍兵との闘いを描いてます。 実際の歴史的背景を踏まえ、昭和十二年の盧溝橋事件から昭和十五年頃までの日中の歴史小説としても読むことができるかな?読む順番としてこの本を読んだ後「ベルリン飛行指令」へいけばなんとなく連続して読むことができます。私の場合は最後にこの本を読んだのでその点がちょっと残念でした。でもまちがいなく面白いです。